量子科学技術研究開発機構では,国際熱核融合実験炉 ITER 用ジャイロトロンの研究開発を進めてきた.ITER で期待される 1 MW 出力での繰り返し連続運転に対して,空胴共振器の熱負荷を低減させた高次数 TE31,11モードのジャイロトロン試作機を開発した.この開発研究では,TE31,11モードの発振を阻害する不要な周波数の異なるモードの存在が明らかとなり,その発振抑制を実現する運転手法を開発し,安定した 1 MW 出力の定常運転を実証した.この成果をもとに,ITER ジャイロトロン実機の製作を開始し,2機のジャイロトロンの性能確認試験を完了させた.双方ともに出力 1 MW かつ効率50% の300秒定常運転,0.8 MW 以上の60秒間 5 kHz 出力変調運転,出力 1 MW/300秒 の20ショット高繰り返し運転にて運転信頼度90%以上を達成し,ITER の要求条件を満足した.